小渕浜の民宿
めぐろ

2014,
宮城県石巻市,
民宿

Guesthouse Meguro in Oshika after 311

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民宿めぐろは、牡鹿半島小渕浜の高台に位置する、港を一望する釣り宿です。
東日本大震災の大津波によって、1階が部分浸水・被災し、その後数ヶ月、30人の民間避難所として高齢の住民の避難生活のよりどころとなりました。私たちは2011年夏からアーキエイド・サマーキャンプで被災調査にうかがい、毎年行くごとに、主に学生と目黒さんご家族が具体的な復旧や将来のプランについて話し合ってきました。
本格的復旧にあたっては、地震と津波で痛んだ外壁や構造体・室内をしっかりと補修することが第一です。また、震災後に小渕浜を助けにきてくれたボランティアや県外の方に、今度は牡鹿半島の海をゆっくり楽しんでもらいたいという話を何度もうかがいました。
私たちは、機能的なリニューアルは必要だけれども、昔の民宿の暖かさをそのまま残したいと考えました。気楽な居心地の良さや学生が直接話を聞いて感じた暖かさ、震災後の人々の絆や昔の建物の記憶を、小屋裏などその部分部分で残し、大きな窓をつけました。
部屋の大きな窓からは、牡鹿半島の絶景と港の活気を間近に楽しめます。玄関の外からは建物を透かして海が見え、建物のなかからは民宿の暖かさや集まる人のにぎやかさがそのまま通りや港に伝わって行くような、おおらかな風景と地域のつながりの一部になれればと考えました。
今回、復旧工事にかかわることで、震災からの復興へのみちのりは決して平坦なものでないと実感しました。簡単で、劇的でなくとも、いまできることを、すこしずつ進めることで、引き続き地域を良くしていきたいと考えていますし、この民宿復旧がその一歩になることを願っています。

場所      :宮城県石巻市小渕浜カント2-1
設計      :AL建築設計事務所+東北工業大学福屋研究室
工事監理    :AL建築設計事務所
階段構造検討協力:大内彰/エスフォルム
照明デザイン  :長谷川裕之/Love the Light
ロゴデザイン  :渡辺正太郎/ant.works
施工      :株式会社 泉産業
構造      :木造+部分S造
敷地面積    :522.99㎡
建築面積    :308.78㎡
延床面積    :520.00㎡(1F 273.46㎡、1F 246.54㎡)
敷地条件    :都市計画区域外
掲載誌     :新建築

民宿めぐろ

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