大変な本好きで、自らも執筆業と編集業を仕事にする友人から「本棚を作ってほしいんだけど」と言われた。そう言われても、私は空間の設計者なので、最初はかなり当惑した。しばらく話すうち、自分がなすべきことが判った。言葉の上では確かに「本棚を〜」と言われたのだけれど、その意味は「増え続ける本を整理したいし、それらと共に暮らしたい」という意味だと理解した。
一般的な住宅の機能は他で満たされているので、住宅ではあっても住宅未満の設備でよい。代わりに、大量の本とともに、そこで仕事もしながらごく普通の生活もする様子を想像した。
結果、常時本に埋もれて生活するのでなく、本のカタマリが生活の場面を区切る役割を果たしつつ、時々は「本の海に潜る」ことが可能なプランを考えた。西側の窓は明かり取りには必要だったが本の管理にはマズいと考え、明かり取りの役割だけを残した。結果、日中はほんのりとした明かりを室内にもたらすが、夜にはただの壁面となり、昼夜が反転した蛍のような効果を及ぼす。 また二種類の可動壁面が、場面場面に応じて空間の形をどんどん変える。
規模 : 50㎡
用途 : 個人住宅
施工 : 那須工務店株式会社
改修工事
一般的な住宅の機能は他で満たされているので、住宅ではあっても住宅未満の設備でよい。代わりに、大量の本とともに、そこで仕事もしながらごく普通の生活もする様子を想像した。
結果、常時本に埋もれて生活するのでなく、本のカタマリが生活の場面を区切る役割を果たしつつ、時々は「本の海に潜る」ことが可能なプランを考えた。西側の窓は明かり取りには必要だったが本の管理にはマズいと考え、明かり取りの役割だけを残した。結果、日中はほんのりとした明かりを室内にもたらすが、夜にはただの壁面となり、昼夜が反転した蛍のような効果を及ぼす。 また二種類の可動壁面が、場面場面に応じて空間の形をどんどん変える。
規模 : 50㎡
用途 : 個人住宅
施工 : 那須工務店株式会社
改修工事