2007 年の公募により第 4 回大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2009 へ入選参加し、6 世帯のみの過疎集落のブナ林を会場として、インスタレーションを行った。見渡す限りブナの垂直な風景が広がる明るい林の中で、ゆっくりと、森と混じり合うような空間体験装置である。高低差 15m で立体的にパラパラとさまざまな高さに 13 脚の椅子を配置すると、 風景の中で低い椅子と高い椅子が混り合い、一つの森の部屋のような空間となった。ブランコのように飛び出し、森につつまれながら、高い椅子にも座ることを想像することで、森の立体的な複雑さを体験できる。通り抜ける風のなかで、木も椅子もゆっくりと揺れる、自然と一体となった、一夏だけの森のリビングルームである。
原理
なるべくゆっくりと安定して椅子が揺れるように、支持ワイヤーを長くし、重心を低くした椅子を設計した。背と座は木の耐水合板を組み合わせ、底板をスチールに 4mm ワイヤーを固定し、重量のみで安定する構造とした。森に対して負荷をかけないように、樹木は養生の上電柱バンドを介してワイヤーを固定している。自然に育っている樹木 2 本のあいだに長さ 8m のワイヤーをかけわたすことで、ちょうど樹木の真ん中で、かけわたし方向に対して直角に移動しながら森を体験することとなる。自然の植生の配置をそのまま活かしながら、一夏のあいだ、森はいつもとは違った立体的な公園となり、冬の豪雪が始まる前には、固定器具はとりはずされ、再び人工物のない、自然だけの風景に戻ってゆく。
敷地 :新潟県十日町市
用途 :インスタレーション
設計期間:2007.11-2006.10
工期 :2008.07-2008.08
設計 :福屋粧子
施工 :慶應義塾大学大学院理工学研究科大学院・学部生ほか
越後妻有 大地の芸術祭の里
原理
なるべくゆっくりと安定して椅子が揺れるように、支持ワイヤーを長くし、重心を低くした椅子を設計した。背と座は木の耐水合板を組み合わせ、底板をスチールに 4mm ワイヤーを固定し、重量のみで安定する構造とした。森に対して負荷をかけないように、樹木は養生の上電柱バンドを介してワイヤーを固定している。自然に育っている樹木 2 本のあいだに長さ 8m のワイヤーをかけわたすことで、ちょうど樹木の真ん中で、かけわたし方向に対して直角に移動しながら森を体験することとなる。自然の植生の配置をそのまま活かしながら、一夏のあいだ、森はいつもとは違った立体的な公園となり、冬の豪雪が始まる前には、固定器具はとりはずされ、再び人工物のない、自然だけの風景に戻ってゆく。
敷地 :新潟県十日町市
用途 :インスタレーション
設計期間:2007.11-2006.10
工期 :2008.07-2008.08
設計 :福屋粧子
施工 :慶應義塾大学大学院理工学研究科大学院・学部生ほか
越後妻有 大地の芸術祭の里